探偵との契約では、契約前の説明書面とは別に、契約を締結したときに「契約の内容を明らかにする書面」が交付されます。この書面は、実際に何を、いつ、どのように調査し、結果をどう受け取るのかを確かめるための大切な手がかりです。この記事では、警察庁の解釈運用基準に示されている記載内容をもとに、契約書類を読むときの照合ポイントを紹介します。
契約後に交付される書面は「契約の内容を明らかにする」もの
警察庁の「探偵業について」では、探偵業者は契約を締結したときに、依頼者に対し、契約の内容を明らかにする書面を交付しなければならないと説明されています。解釈運用基準では、この書面(基準上の呼び方は「契約後書面」)も、契約書、調査の計画書など複数の書面に分かれていても差し支えないとされています。
そのため「契約書」と題された1枚だけでなく、同時に受け取った計画書や別紙なども含めて、契約内容がどこに書かれているかを確認しておくことが大切です。
調査の内容・期間・方法をどう照合するか
解釈運用基準では、契約後書面の「調査の内容、期間及び方法」について、次のような点を具体的かつ詳細に記載することが必要だとされています。
- 調査の対象者
- 調査の目的とする情報の内容
- 調査の体制
- 調査を実施する地域の範囲
- 期間(いつからいつまでの何日間行うか、1日何時間程度行うか、夜間・深夜・休日など稼働時間帯で特別料金が設定される場合はその時間帯の実施に関すること等)
- 調査方法
- 調査の過程で追加料金が必要となる業務が生じた場合の、その業務の実施の有無と内容
自分が相談の場で伝えた「知りたいこと」と、書面の「調査の目的とする情報の内容」が同じ意味で書かれているかを確認しましょう。言葉の違いで範囲が広がったり狭まったりしていないかを見るのがポイントです。
結果の受け取り方:報告の方法と期限
解釈運用基準では、「調査の結果の報告の方法」とは、調査の過程で記録した写真・動画・音声データ等の取扱い(提示のみか、提供するか)や、報告書の作成の要否(文書、メール、口頭のいずれで報告するか)などをいう、とされています。また報告の期限については、具体的な年月日のほか、「所在が判明したときは、直ちに報告する」といった書き方でも差し支えないとされています。
契約書類を読むときは、「写真などは見せてもらえるだけなのか、受け取れるのか」「報告はどの手段で、いつまでに届くのか」が書かれているかを確認しましょう。
金額の記載と契約前書面との突き合わせ
解釈運用基準では、契約に係る具体的な金額を確定しておくことが望ましいとしつつ、成功報酬や実費請求のように調査の結果や過程によって金額が変動し得る場合には、掛かり得る最大限の総額と、その算出の基礎となる個別の料金設定などを詳細に明らかにする必要があるとされています。
契約前に受け取った書面と並べ、金額・期間・体制・報告方法などが説明どおりに反映されているかを照合しておくと、認識のずれに早めに気づきやすくなります。
確認表契約前書面と契約後書面の照合表
| 照合項目 | 契約前書面の記載 | 契約後書面の記載 | 一致/相違・質問メモ |
|---|---|---|---|
| 調査の対象者 | |||
| 調査の目的とする情報の内容 | |||
| 調査の体制 | |||
| 調査を実施する地域の範囲 | |||
| 期間(開始日〜終了日・日数) | |||
| 1日の稼働時間 | |||
| 夜間・深夜・休日の実施と料金 | |||
| 調査方法 | |||
| 追加料金が必要な業務の実施有無・内容 | |||
| 写真・動画・音声の扱い(提示/提供) | |||
| 報告の手段(文書・メール・口頭) | |||
| 報告の期限 | |||
| 金額・最大限の総額・個別料金 |
契約後の書面は、調査の中身と結果の受け取り方を具体的に確かめるためのものです。契約前の書面と並べて照合し、自分が伝えた目的と書面の記載が同じ意味になっているか、期間や報告方法が明記されているかを確認しましょう。気になる点は、書面のどこを修正・補足してもらえるかを含めて質問しておくと安心です。
確認した公式情報
確認日:2026年10月30日
警察庁「探偵業について」/解釈運用基準 第8 重要事項の説明等(第2項関係)
