「調査員は何人つくのか」「人数が多いほど良いのか」は、見積もりの段階でよく出てくる疑問です。ただ、何人が適切かは依頼の内容や状況によって異なり、この記事で人数を決めることはできません。そこで、警察庁の資料で「調査の体制」がどのように扱われているかを確認したうえで、見積もり前に事業者へ聞いておきたい質問を整理します。
「調査の体制」は書面で明らかにされる項目
解釈運用基準では、契約前に書面で明らかにする「提供することができる探偵業務の内容」の一つとして、調査の体制(従事できる人数等)が挙げられています。また、契約後の書面に記載する「調査の内容、期間及び方法」にも、調査の体制が含まれています。
つまり、体制は口頭のやりとりだけで済ませるものではなく、書面に記載される項目です。まずは受け取った書面のどこに体制が書かれているかを確認しましょう。
人数より「役割」を聞く
人数だけを比べても、その人数で何をするのかが分からなければ判断材料になりにくいものです。見積もり前には、次のような観点で質問してみましょう。
- 想定している体制では、それぞれの人がどのような役割を担うのか
- 体制が依頼内容のどの条件(場所、時間帯、方法など)を前提にしているのか
- 調査の途中で体制を変えることがあるか。その場合、事前に連絡や同意の手続があるか
なお、探偵業者は営業所ごとに従業者名簿を備え、従事させる探偵業務の内容などを記載することとされています。解釈運用基準では、名簿には各従業者が行う業務の具体的内容を記載する必要があるとされています。依頼者が名簿を見る仕組みについては資料に記載がないため、担当者の役割は質問で確認するのが現実的です。
体制が見積もりにどう反映されるか
解釈運用基準では、契約前に明らかにする「金銭の概算額」について、一般的な料金体系のほか、掛かり得る最大限の総額や、その算出の基礎となる個別の料金設定などを詳細に明らかにする必要があるとされています。
体制と金額の関係が分かりにくいときは、「見積もりのどの行が体制に対応しているか」「体制を変えた場合、どの料金設定が変わるか」を聞いてみましょう。追加料金が必要となる業務が生じた場合の扱いも、契約後の書面に記載すべき事項とされています。
調査に関わる人の位置づけも確認する
調査に関わる人が、その事業者の従業者なのか、委託先の探偵業者なのかによって、書面の記載箇所が変わります。解釈運用基準では、臨時に雇用した者を含め、探偵業者の従業者に業務を行わせることは「委託」ではないとされています。一方、他の探偵業者に委託する場合は、その旨などを契約前の書面で明らかにする必要があるとされています。
また、探偵業者は従業者に対し、業務の適正な実施のために必要な教育を行わなければならないとされています。関わる人への教育や秘密保持の扱いも、あわせて質問してよい点です。
確認表調査体制の質問シート
| 質問 | 回答メモ | 書面の記載箇所 |
|---|---|---|
| 書面に記載された調査の体制はどこか | ||
| 想定している体制と、その前提条件は何か | ||
| それぞれの担当者の役割は何か | ||
| 途中で体制を変えることはあるか。その際の連絡・同意の方法は | ||
| 見積もりのどの項目が体制に対応しているか | ||
| 体制を変えた場合、どの料金設定が変わるか | ||
| 最大限の総額に体制の変更は含まれているか | ||
| 関わる人は従業者か、委託先の探偵業者か | ||
| 関わる人の秘密保持・教育の扱いはどうなっているか |
調査員の人数は、依頼内容によって考え方が変わるため、人数そのものを比べるだけでは判断が難しい項目です。書面に記載された「調査の体制」を確認し、役割、前提条件、見積もりへの反映、変更時の扱いを質問として残しておきましょう。
確認した公式情報
確認日:2026年10月30日
解釈運用基準 第8 重要事項の説明等、第9 探偵業務の実施に関する規制、第11 教育、第12 名簿の備付け等/警察庁「探偵業について」
