契約した事業者とは別の人や会社が調査に関わることはあるのでしょうか。警察庁の資料では、探偵業務の委託について、禁止されている範囲と、契約前に書面で明らかにすべき事項が示されています。この記事では、その内容を正確に整理したうえで、契約先と調査の担当範囲を確認するための質問をまとめます。
委託先は「届出をして探偵業を営む者」に限られる
警察庁の「探偵業について」では、探偵業者は探偵業務を探偵業者以外の者に委託してはならないと説明されています。
解釈運用基準では、禁止されているのは探偵業務の全部または一部を「探偵業者」以外の者に「委託」することだとされています。委託すること自体は禁止されていませんが、委託先は法第4条第1項の届出をして探偵業を営む者に限られ、個人の事業者を含め、無届で探偵業を営む者に委託することは違反になるとされています。
「委託」に当たらないとされている例
解釈運用基準では、次のようなものは探偵業務の委託ではないとされています。
- 聞込みの過程で、第三者に単に情報提供を依頼すること
- 調査の過程で取得した写真の現像を第三者に依頼すること
- 臨時に雇用した者を含め、探偵業者の従業者に探偵業務を行わせること
つまり、「外部の人が関わるかどうか」と「委託に当たるかどうか」は、必ずしも同じではありません。誰がどの立場で関わるのかを確認することが大切です。
契約前の書面で確認する委託の事項
解釈運用基準では、契約前の書面で明らかにする「探偵業務の委託に関する事項」として、他の探偵業者に委託するか否か、委託する場合には委託先の基礎的事項、委託する業務の内容、依頼者の氏名等を通知するか否かなどを明らかにする必要があるとされています。
書面に委託の有無が書かれているかを確認し、委託する場合は、どの業務を、どの事業者に任せるのか、自分の情報がどこまで伝わるのかを質問しましょう。
契約先と委託先の関係
解釈運用基準では、依頼者と契約した探偵業者が他の探偵業者に業務を委託する契約を結ぶ場合、委託先の探偵業者は、元の探偵業者に対して契約前・契約後の書面を交付する必要があるとされています。
また、探偵業の届出をした者が、自己の名義で他人に探偵業を営ませること(名義貸し)は禁止されています。契約書類に記載された事業者名と、実際に説明や連絡を担当する事業者が一致しているかも、確認しておきたい点です。
確認表委託と担当範囲の確認シート
| 確認項目 | 事業者への質問 | 回答メモ | 書面の記載箇所 |
|---|---|---|---|
| 委託の有無 | 他の探偵業者に委託する予定はあるか | ||
| 委託先の基礎的事項 | 委託先の事業者はどこか | ||
| 委託先の届出 | 委託先は探偵業の届出をしているか | ||
| 委託する業務の内容 | どの業務を委託するのか | ||
| 依頼者情報の通知 | 自分の氏名等は委託先に通知されるか | ||
| 調査に関わる人の立場 | 関わる人は従業者か、委託先か | ||
| 途中からの委託 | 契約後に委託が必要になった場合、連絡はあるか | ||
| 契約上の事業者名 | 書面の事業者名と説明・連絡の担当は同じか |
探偵業務の委託は、委託先が届出をした探偵業者であれば禁止されていませんが、探偵業者以外への委託は禁止されています。契約前の書面で委託の有無と内容を確認し、誰がどの立場で調査に関わるのか、自分の情報がどこまで伝わるのかを質問しておきましょう。
確認した公式情報
確認日:2026年10月30日
警察庁「探偵業について」/解釈運用基準 第5 名義貸しの禁止、第8 重要事項の説明等、第9 探偵業務の実施に関する規制
